少年の非行についての、すごい記事を見た

ある、弁護士のブログです。私もかねがね思っていたのですが、以前、芹沢氏と、安原氏にこっぴどくやられたので、この話題は避けていたのですが。本職の方に言われると、納得です。ということで、ご紹介させてください。ぐうたら法律事務所さんです。改行などは、短めにさせていただいています。短い記事ですので、ほとんど全文の引用となります。大量のコメントが入っていますので、ぜひ、直接ご覧ください。

少年非行の現状(2006.10.03)


近年、少年による残虐な犯罪がクローズアップされ、それに伴い、厳罰化を支持する動きが出ています。
では、少年非行の実態はどのようなものかと言いますと、「刑法犯検挙人員の半数近くを少年が占めています。」

つまり、刑法を犯して警察に検挙された人間の半数近くが少年で、普通に考えれば中高生以上20歳未満の年齢層が、前年齢層の刑法犯の半数近くに上っているということです。次に、常習犯罪者(犯罪を繰り返す者)の大部分が少年期に非行暦があるという事実です。
このような現象を目の当たりにすると、なんだか絶望的な気分になってきてしまいます。

少子化で絶対数が減少しているとはいえ、少年非行は刑法犯の約半分で、非行少年の多くは常習犯罪者になっていきます。

何か手立てはないものでしょうか?

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芹沢一也氏と安原氏にこっぴどくやられたところはこちらです。


「芹沢一也著:「ホラーハウス社会」、法を犯した「少年」と「異常者」たち: 2006/03/30 00:20 」私は、この人の書物の一番の根拠にしているのが、「少年の凶悪犯罪は決して増加していない」という、ただ一点です。その他の書物でも、同じような論拠で、たとえば、柳田邦男氏の「壊れる日本人」という本が、こてんぱんにされています。この本をこてんぱんにしている人も、同じ論拠に基づいているように思えるのです。彼のアマゾンなどの書評もすごい数で、徹底的にたたきのめしています。
そう思っていたのですが、意外に、好評ですね。著名な「ニートと呼ぶな」の後藤氏に、こてんぱんにたたかれていたことを覚えているので。

今日の結論は「少年の凶悪犯罪は決して増加していない」か、「刑法犯検挙人員の半数近くを少年が占めています。」か?


どちらが正しいか?なんです。ぐうたら法律事務所さんに直接質問をしても良いのですが、お忙しそうなので、いくつか統計を拾って見たのですね。そうするとこの文献「平成15年版 犯罪白書のあらまし」などを参照すると、「刑法を犯して警察に検挙された人間の半数近くが少年」に関する数字を洗うことが出来ます。残念ながら、平成15年度の犯罪白書です。少し古いのです。

  • 刑法を犯して警察に検挙された人間
  • これが、「平成14年における窃盗を除く一般刑法犯の認知件数は,47万6,573件(前年比20.6%増),検挙件数は,18万8,809件(同8.2%増),検挙人員は,16万7,155人(同6.9%増)である。」です
  • 半数近くが少年
  • に関してですが、「少年刑法犯検挙人員は,昭和26年の16万6,433人をピークとする第一の波,39年の23万8,830人をピークとする第二の波,58年の31万7,438人をピークとする第三の波という三つの大きな波が見られる。平成8年以降増加していたが,11,12年と減少した後,増加に転じ,14年の少年刑法犯検挙人員は20万2,417人(前年比1.7%増)となっている。」です。
ですから、平成14年には増加に変化しており、「窃盗を除く一般刑法犯の認知件数」の約半数を「少年」が占めていることは確かです。

ということで、いかがでしょうか?

犯罪白書、少年非行―平成17年版犯罪白書から―:近藤 日出夫

を参照すると、

4 特集「少年非行」の概観


 (1)特集のねらい<中略>

 (2)少年非行の動向
 少年刑法犯検挙人員等の推移は、図2のとおりである。少年刑法犯検挙人員は、ここ数年おおむね20万人前後で推移しており、平成16年は、4年ぶりに前年より減少し、19万3,076人となったものの、刑法犯全検挙人員の約15%を占めている。
 また、社会の少子高齢化が進み、少年人口が減少する中で、10歳以上20歳未満の少年人口10万人当たりの少年刑法犯検挙人員の比率は、近年上昇傾向にあり、平成16年は1,505.9と前年より低下したものの、なお戦後の少年非行のピークである昭和50年代後半ころに次ぐ高水準にあって、成人人口10万人当たりの成人刑法犯検挙人員の比率の約1.4倍となっている。
 さらに、少年の強盗検挙(補導) 人員は、平成8年以降、年間1,000人を超える高い水準で推移してきており、少年による社会の耳目を集める凶悪重大事犯も発生するなど、少年非行の動向は、なお予断を許さない状況にあるといえる。


もう少し、リサーチが必要です。今日は一応これで納めます。以下は参考です。
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柳田邦男氏の「壊れる日本人」に関する後藤氏などの書評

私のウェブサイトでこの件をコメントしたのは相当前。その時、オンライン書店ビーケーワンで、新着書評が載っていた。以下に後藤氏の書評を引用する。

俗流若者論スタディーズVol.3 ~壊れているのは一体誰だ?~


後藤和智、2005/06/10 0:41:53、評価★☆☆☆☆ ( ★マーク )

しかし、ここまで露骨な俗流若者論が、まさか高名なノンフィクション作家・柳田邦男氏の手によって成ってしまうとは、まったく夢想すらしてなかったよ。しかし、完成してしまったんだからしょうがないよね。
何が問題かというとね、全編、現代の若年層に対する罵詈雑言で溢れかえってるんだよね。特に問題の多い点を2つ挙げるとすると、まず7~22ページの「見えざる手が人間を壊す時代」。しかし、あたしにとってすれば、この章のタイトルをそのまま「見えざる手が柳田邦男を壊す時代」と読み替えてもいいくらいだ。何って、例えば8ページにおいて、明らかに特殊な状況にある幼稚園の送り迎えについて、柳田氏は《子育てに関して、何か凄いことが、この国を覆いつつあるように思えた》などといった暴言を吐いてしまっている。

<後略

すごいとしか言いようが無いほど、激しい論調での批判である。非難に近いかもしれない。

私は、この書評がアマゾンでも通用しているのかと思ったが、アマゾンの書評は、非常に穏やかだ。私は、後藤氏の書評より、このアマゾンの書評にどちらかというと賛成だ。

私のウェブの記載を下記に引用しよう。
2005年6月11日の段階で、柳田邦男氏の「壊れる日本人」(2005.3月新潮社刊)について、後藤和智氏が徹底的な批判を加えている。柳田氏は知る人ぞ知る著名なノンフィクション作家である。古いもので「恐怖の2時間18分」「撃墜」などを読んだが、一応リサーチも進めてきちんとした事実の整理を行い、推論を行っている点、評価の出来る作家であると思っている。しかし、今回の著作「壊れる日本人」は本を読んでいないのでコメントは差し控えられるのだが、「壊れる日本人」が居ることは確からしいが、それに対して原因究明を行っている人はあまり思い出せない。斉藤環氏の「社会的引き篭もり」も読んだが、彼は彼の行っているデイケアセンターの運営を評価することを目標に「社会的引き篭もり」という病名・症状名を付けたかもしれないと思っている。彼にもお会いしたが、まあそこそこと言う感じ。Mクラブを運営し、そこに「社会的引き篭もり」状態の人を集め、ボランティアが彼らのコミュニケーションを助けるが、多くは実際は「統合失調症」の患者を対象とするデイケアルームであり、たとえ、かなり悪い状況の「社会的引き篭もり」の人が入っても、かなり違和感を覚えるだろう。また、後藤氏も指摘の通り、「ゲーム脳」という定義もあるようだ。実際に脳波を測定すると、アルファ波とベータ波の出方が異なるなどと言う実証研究的な記述もある。

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私が書いた、「芹沢一也氏のレビュー」も散々ですね。
37 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

村社会の住人であることに変化はない,2006/3/24


レビュアー: Caro Ideale (これは私です)
本書は、100年以上も続いた、「少年」を人と同等ではないく、教育・保護する「少年法」から、少年以外の人と同じく刑事裁判を受けるよう法改正が成立した経緯を説明し、そのような法改正を要求した社会が変化した、それが問題であるとしている。そのような社会を、意味は不明であるが「ホラーハウス」社会と言っている。「精神障害者」の犯す犯罪に関しても、同じようなストーリーで、社会の要請がそのような法制化を推し進めたと言う。彼らをマニュアルで排除しようとする「観察・監視社会」であり、これは恐ろしい監視社会であると見る。

この筆者の背景には、これらの犯罪は減少しているのに、この法改正を要求するのは、社会がそのような怪物を排除する行為を快楽として楽しんでいるからであると言う。団地の入り口や公園に監視カメラを設置したり、24時間体制で監視するシステムの出現がその象徴であるらしい。皆さんは20年以上前から、高速道路にNシステムと言う車の監視カメラが設置され、通過車両の車番をデータ化して居るのをご存知だろうか?我々のプライバシーは侵され、監視されていたのだ。当然要求するべきことを要求する人々や社会を「犯罪を快楽として消費する社会」と断罪することは許されることではない。「被害者」が一番疎外されるような法はおかしい。だから、少年や精神障害者の犯した罪を、成人と同様に刑罰の対象として扱おうとする法改正は賛成である。

今まで人権派の弁護士などにはばまれていた「被害者家族達」が団結して、少年や精神障害者の犯罪に対して、情報を公開するよう、また、成人と同様の刑事罰に相当するかどうかを審判するように求めた結果である。私の常々の主張である「行動を起さない限り何も実現しない」と言うことを身をもって実践されたから実現したのである。


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この記事へのコメント

2006年10月07日 22:17
通りすがり様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。凶悪犯罪をどのレベルでとらえるか、それが一番の課題だと思います。いつまでも、凶悪犯罪は増大していないというより、その統計的背景を明確化したほうが良いと思います。それは、「増大していない」をベースに著作を表し、販売しているほう(つまり、著者、編者、出版社)の責任でしょうね。我々は、あくまでもユーザーですから、これらの著作の内容にコメントする権利は留保していると思いますし、それは問題ではないと思います。
芹沢氏の著作について言うと、「社会が監視社会になって、娯楽化しているのはおかしい」というような、記述になっていることです。これも、単に一つの現象ととらえているだけで、私は彼の認識にくみすることは出来ません。
当たりのことを申し述べただけなのですが、筆足らずで、嵐を呼びました。それも良いんですが。何も解決にはなっていないというのが私の持論です。どうすれば今の[少年による凶悪犯罪の増加を認識せざるを得ない]社会現象を緩和することが出来、お互いに信頼できる社会を構築することが出来るかが課題でしょうね。
通りすがり
2006年10月07日 17:09
(つづき)しかし,①「ここ10年はべつとして,戦後からの長期的なスパンで見ると,少年犯罪の検挙件数は大きく減っている.」←これは統計から裏づけ可能.②ここ10年の統計上の急増傾向は,少年への社会の態度が厳しくなったためである.つまり,統計上少年犯罪が急増しているとはいえ,その内実は従来統計に計上されてこなかった軽微な罪種(「占有離脱物横領」や「器物損壊」など)が露見してきた結果にすぎない.(←これも統計から裏づけ可能.)殺人などの件数は,戦後すぐ~1960年代よりも大きく減っている.(←これも統計から裏づけ可能.)よって「少年の凶悪犯罪は決して増加していない」も正しい.
二者の意見を比較するなら,「現在を問題にしているのか,時系列を問題にしているのか.時系列なら,いつからの推移を問題にしているのか」,「凶悪化をどのように定義するのか」を明確にされないと,いつまでたっても芹沢氏や安原氏の意見とは平行線のような気がします.
通りすがり
2006年10月07日 17:07
通りすがりの者です.
二つの意見のどちらが正しいか?を二者択一のように捉えてらっしゃるようですが,私は答えは「どちらも正しい」のではないかと思います.
つまり,こういうことです.
確かに,警察統計のうえでは刑法犯の半数を少年が占めている.よって,「刑法犯検挙人員の半数近くを少年が占めています。」は正しい.
(字数の関係で以下,次のコメントに書きます)

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