コロナショック 正確な現状分析なき「宣言」 元厚労相・前都知事、舛添要一氏:毎日新聞ニュースから引用しています。

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コロナショック 正確な現状分析なき「宣言」 元厚労相・前都知事、舛添要一氏:毎日新聞ニュースから引用しています。

毎日新聞

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舛添要一氏=宮本明登撮影
舛添要一氏=宮本明登撮影

 とうとうその日は訪れた――。連日、東京都内では100人を超える新型コロナウイルスの感染者が確認され、政府は7日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を発令した。対象地域では5月6日までは自粛を求められる。かつて厚生労働相として新型インフルエンザの対応にあたり、さらに首都・東京のトップにも就いた舛添要一前都知事(71)に現状をどう見るか、聞いた。

PCR検査増へ動き鈍い 景気の行方を憂慮

 春の昼下がりの暖かな日差しの中、東京都内にある舛添さんの事務所を訪ねた。安倍晋三首相が緊急事態宣言の意向を明らかにした6日のこと。目の前には、どこか見覚えのある建物。そう、都知事時代の2016年、政治資金や公用車の使い方を巡る問題で連日ワイドショーなどをにぎわしたお宅の玄関である。「反省の気持ちは今でも変わりません。表に出るつもりはなく、本を執筆して暮らすつもりでした」と、案内された書斎でしきりに恐縮する。

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 とはいえ、最近はテレビ番組で舛添さんの姿をお見かけする機会も増えた。「新型コロナが拡大して、東京オリンピック・パラリンピックも延期になりました。厚労相と都知事の両方を経験したのは私しかいないので、出演依頼がありまして」。メディアへの露出が増え、現在執筆中のイタリアの独裁者、ムソリーニについての原稿は3分の1で止まったままという。

 舛添さんは厚労相として、09年に国内で感染が確認された新型インフルエンザ対策の陣頭指揮を執った。都知事時代(14年2月~16年6月)には五輪・パラリンピックの準備にも携わった。「もちろん今でも私に対して批判をされる方はいます。ですが、厚労相として新型インフルの危機管理を経験し、そこから得た教訓を国民に伝えるのは義務だと思っています」と話す。

 さっそく聞いてみた。今回の緊急事態宣言について、どう考えるのか、と。「前提として、初動体制の遅れがすべてに影響しています」。新型コロナウイルスの感染は、昨年末から中国の武漢市で発生し、国内では1月中旬に武漢に滞在歴のある男性の感染が初めて確認された。「私はPCR検査(遺伝子検査)の数を増やすべきだと当初から主張していましたが、動きは鈍かった。感染者数は実際はひと桁くらい違うのではないでしょうか。正確な現状分析なくして、宣言発令の可否を判断するのは危険です」と批判する。

 さらに、緊急事態宣言を出すにあたり、首相に意見を述べる「基本的対処方針等諮問委員会」のあり方にも疑問を呈する。「国民に負担を強いる宣言を出すならば、経済の専門家や危機管理のスペシャリストも必要ではないでしょうか」。確かに、16人からなるメンバーは弁護士を除くと感染症対策など医療分野の専門家ばかりだ。

 舛添さんは経済の停滞を回避することの重要性を強調する。「経済活動、社会活動の維持と、感染症の拡大防止という大きな二つの目的をバランスを取りながら両立させるのが政治家の仕事です。感染症への対応が後手に回った後、急にそちらにかじを切れば、経済が一気に動かなくなってしまう」と憂慮する。

 緊急事態宣言に合わせ、東京都は商業施設や教育施設などに休業を要請する。舛添さんは言う。「補償内容について、しっかり制度設計しないまま休業要請をすれば、『食っていけない』という人が続出します」

 経済を止めてはいけない。確かに政府は総額108兆円に上る緊急経済対策を打ち出した。その目玉が、大幅に所得が減少した世帯を対象にした、1世帯当たり30万円の現金給付だ。

 政府が示す基準に該当する世帯が市町村に自己申告をする形を取るが、舛添さんはこの政策にもかみ付く。「収入の減少をどうやって証明するのでしょうか。それに役所の窓口に行って手続きする煩雑さを国民が望んでいますか? 危機管理はスピーディーさが大事なのに、審査したうえでの支給となれば2カ月くらいかかってしまう。不慣れなお年寄りを狙った『代行手続き詐欺』も懸念されます」

 その代わりに、舛添さんは所得制限なしで全国民に1人10万円の支給を主張する。「記名式の小切手を、マスクと一緒に国民に郵送すればすぐにできます。その小切手を金融機関に持って行って、自分の口座に振り込んでもらえばOKです。『金持ちに配る必要はない』という意見もありますが、お金に余裕がある人はもらった10万円を寄付すればいい」。「一緒に郵送するマスク」とは、安倍首相が全世帯に2枚ずつ配ると表明した、あの布マスクのことだ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では首相の経済政策「アベノミクス」をもじった「アベノマスク」と皮肉られていた。

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 「同世代の志村けんさんが亡くなったのもショックでした」と語る舛添さんも、実は布マスクの愛用者だ。毎日消毒して使っている、と荒れた両手を見せてくれた。「ドラッグストアに行っても使い捨ての不織布マスクは売り切れ状態で、入手できない。布マスク配布は、何もしないよりましかもしれませんが、(配布にかかるとされる)200億円があれば、別の使い道があるのでは」とあきれ顔だ。

 何かと閉塞(へいそく)感が漂うのは日本のみならず、世界中どこも同じだ。舛添さんが常々気にかけているのは、新型コロナ感染による死者数だ。「亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げます」と断った上で、「日本のそれが欧米よりはるかに少ないのは事実。死者の数はごまかせない。生活習慣や食事の仕方が影響しているのかも」と推測する。

 舛添さんはかつて、現在も感染拡大が続くフランスやイタリアで暮らした経験がある。「私の最初の妻はフランス人でしたが、週末ごとに親の元に家族が集まるわけです。何時間もおしゃべりをして、食事を共にして。また、欧米はパン食文化で、パンは手で食べる。箸を使う日本食文化は感染防止に一役買っているのではないでしょうか」

 半面、ここに来て気になる兆候も出てきた。舛添さんが首をかしげる。「武漢の医師とも連絡を取っていますが、彼らから嗅覚障害や味覚障害の症状は聞いたことがありません」。味覚や嗅覚の障害は、プロ野球・阪神の藤浪晋太郎投手(25)や、お笑いグループ「森三中」の黒沢かずこさん(41)が感染した際にそう訴えて、広く知られるようになった。舛添さんが情報交換している武漢の医師は、米国で学んだようなエリートばかり。そのような症状を見落とすようなことはないと断言する。「ウイルスとの闘いはますますやっかいになっています」と厳しい表情を見せる。

 舛添さんの事務所を後にすると、駅までの道すがらの桜は散り始めていた。「早く静かな生活に戻って原稿を完成させたい」。そう語る舛添さんがムソリーニの著書を書き終える頃、今回の騒動は終息しているだろうか。【葛西大博】

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