プーチン政権に異変、盟友・外交官らから相次ぐ苦言「全世界が敵対」:朝日ディジタルから引用しています。

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2013年12月25日、モスクワのクレムリンで開かれた授賞式で、ロシアのプーチン大統領(左)と並ぶテレビ司会者のウラジーミル・ソロビヨフ氏=AFP時事

プーチン政権に異変、盟友・外交官らから相次ぐ苦言「全世界が敵対」

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 ウクライナ侵攻の開始から24日で3カ月を迎えるなか、ロシアでプーチン政権の支持基盤に異変が見え始めた。外交官や盟友、国営メディアなどから公然と侵攻への批判の声が上がり、軍司令官の処分も指摘される。ロシア軍にも多くの犠牲が出るなか、侵攻が長期化するとの見方が強まっており、政権に対する国民の不満が少しずつ高まっている可能性がある。

外交官・盟友も苦言

 「20年間、わが国の外交政策の様々な展開を見てきたが、(ロシアがウクライナに侵攻した)2月24日ほど母国を恥じたことはない」

 今月23日、ロシアの在ジュネーブ国連代表部に務めていたボリス・ボンダレフ参事官がジュネーブの外交官らに宛てた声明が公表され、ウクライナ侵攻に抗議して辞職したことが明らかになった。

 発表した国際人権団体のUNウォッチ(本部スイス・ジュネーブ)によると、ボンダレフ氏は「プーチン(大統領)が仕掛けた侵略戦争は、ウクライナ国民に対する犯罪というだけでなく、おそらくロシア国民に対する最も重大な犯罪だ」と指弾した。この件についてロシアのペスコフ大統領報道官は報道陣に、「ボンダレフ氏はもはや我々とともになく、我々に反対している」とし、「彼はロシアの指導部の行動を批判しているが、ほぼすべての国民が指導部の行動を支持している。つまり彼は国の全体的な意見に反対した」と話した。

 プーチン氏の盟友、ロシア・チェチェン共和国のカドイロフ首長からも苦言が出た。18日、「最初に誤りがあった」と述べ、侵攻の作戦が想定通り進まなかったことを認めた。チェチェンの部隊も参戦しており、「今は100%計画通りに進んでいる」とも述べたが、異例の発言と言える。

 ロシア軍はウクライナに侵攻後、北部、東部、南部の3方向から大規模な部隊が進軍し、早期に首都キーウ(キエフ)などを陥落させる計画だったとみられる。

 だが、欧米の軍事支援を受けたウクライナ軍の抵抗が想定外に強く、3月下旬にはキーウ近郊からの撤退を開始。現在は東部ドンバス地方に戦力を集中させているが、計画通りに進軍しているとは言い難く、苦戦が続いている。

 独立系世論調査機関「レバダセンター」による4月下旬の調査では、ロシアでウクライナ侵攻を指す「特別軍事作戦」について、「支持する」が74%と前月より同7ポイント下がった。国民に作戦への疑問や批判が広がっている可能性がある。

国営メディアで不満表明化

 そうした状況を反映してか、日頃はプーチン政権のプロパガンダを無批判に報じる国営メディアでも、不満の声が相次ぎ表面化している。

 英デイリー・メールによると、5月上旬に放映された国営テレビの番組で、政権寄りの発言が多い司会者のウラジーミル・ソロビヨフ氏が「武器が前線に届くまで恥ずかしいほどの時間がかかる」と嘆き、出演者も「兵士は昔の兵器を持たされて戦闘に送られている。ロシア経済は戦争を維持できない」と指摘した。

 16日には別の番組で、退役大佐で軍事評論家のミハイル・ホダリョノク氏が「ウクライナ軍は士気が高く、欧米の軍事支援を受けて戦闘の準備が整っている」「認めたくなくても、全世界が我々に敵対している」などと述べ、ロシアの状況が悪化していると明かした。

 ロシア国営テレビでは3月、生放送中に同局の職員が反戦を訴えた事件があったが、対独戦勝記念日の5月9日朝にも、政府系ニュースサイト「レンタ・ルー」が一時、政権批判や反戦の記事で埋められた。

 「プーチンは偏執病の哀れな独裁者になった」「経済の失敗を隠すには戦争が簡単だ」「彼(プーチン氏)は無意味な戦争を起こし、ロシアを苦境に陥れようとしている」……。

 「戦争に反対する全ての人が団結する必要がある」などとして、2人のジャーナリストが実行したという。

幹部に解任・更迭説相次ぐ

 一方、欧米では、プーチン政権内にも苦戦への不満が高まっているとの見方がある。ロシア軍や連邦保安局(FSB)の幹部の自宅軟禁や解任の臆測が相次ぎ、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長の更迭説も一時、浮上した。

 英国防省は19日、旗艦「モスクワ」が沈没した黒海艦隊のイーゴリ・オシポフ司令官と、北東部ハルキウ攻略に失敗したという戦車部隊の指揮官が停職処分になった可能性があるとの分析結果を発表した。

 ロシア軍などで個人の責任を回避する努力が強まり、さらに指揮系統がきしむと予測。「こうした状況で、ロシアが主導権を奪い返すのは難しいだろう」と指摘した。

プーチン政権の周辺で起きている異変

・ロシアの外交官が「(ウクライナ侵攻が始まった)2月24日ほど母国を恥じたことはない」と批判して辞職

・ウクライナ侵攻の作戦について、「最初に誤りがあった」とロシア・チェチェン共和国のカドイロフ首長

・ロシア国営テレビの番組で、政権支持の司会者ウラジーミル・ソロビヨフ氏が「武器が前線に届くまで恥ずかしいほどの時間がかかる」と不満を述べる

・退役大佐で軍事評論家のミハイル・ホダリョノク氏が「全世界が我々に敵対している」などとロシア国営テレビの番組で発言

・政府系ニュースサイト「レンタ・ルー」が一時、政権批判や反戦の記事で埋まる

・作戦失敗の責任を問われ、ロシア軍の司令官を処分との見方

・ウクライナの誤った情報を伝えたとして連邦保安局(FSB)幹部が自宅軟禁されたと報道

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