なぜ日本の感染者は少ないのか……海外が見る「日本の謎」 新型肺炎:f

なぜ日本の感染者は少ないのか……海外が見る「日本の謎」:New Sphere 

Koji Sasahara / AP Photo

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 世界中で感染者が急増している新型コロナウイルスだが、1日数千人単位で感染者が増えている欧米諸国に比べ、日本は数十人程度と少ない。検査の数を制限し、感染の実態が明らかにされていないという見方が海外では圧倒的で、今後は感染者が急増するのではないかと指摘されている。

◆異常に少ない検査数 日本の説明は理解されず
 日本の感染者数は1110人(3月23日時点)となっている。ブルームバーグは、日本は中国以外で最も早く感染が広がった国の一つなのに、先進国のなかでは最も影響を受けておらず、公衆衛生専門家も首をかしげていると述べる。


 海外のほとんどのメディアや専門家が「日本の謎」の理由として、検査数が少ないことを上げている。ビジネス・インサイダー誌は、カナダのマニトバ大学のジェイソン・キンドラチュク准教授の「検査しなければ感染者の見つけようがない」という言葉を紹介し、日本が検査能力の6分の1しか検査を行っていないと指摘している。

 日本は医療機関に過剰な負荷をかけないために検査を絞ると説明しており、国民には症状が出るまで家にいるよう求めている。この対応は、27万人に検査をして感染拡大を阻止した韓国の対応と比較されており、WHOを含め海外では韓国式がお手本と評価されている。

 ビジネス・インサイダー誌の記事が出た時点では、日本で検査を受けたのは1万6484人ほどだ。これは7600人当たり1人という検査数で、韓国の185人当たり1人に比べ、著しく低くなっている。


◆文化が幸い? 感染防止に貢献か
 そもそもダイヤモンド・プリンセス号の処理もできなかった日本が上手くやれているはずはないという辛らつな意見も聞かれるが、日本がある程度感染を抑えているという見方もある。

 中国に近いため、まだ制御可能な時期から危機感があり、消毒剤やマスクなどが売れて、国民が公衆衛生を守る基本ステップを受け入れたことが貢献したのではないかと見られている。


 アメリカの科学ジャーナリストのローリー・ギャレット氏は、少数の感染が制御可能な限定された地域で起こっていることが幸いしているのではないかと述べている(ブルームバーグ)。

 ビジネス・インサイダー誌は、もともと日本文化においては他国よりも社会的距離が遠いこと、以前から病気やアレルギーのある場合はマスクをする習慣が根付いていたことが、感染の拡大を防いだのかもしれないとしている。


新型コロナウイルス、暖かくなれば終息するの

A51E805A-B381-443D-AD5C-92B39967707F.jpeg 中国で最初に発見された新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、冬期の地域を中心に100以上の国で報告されている。気候が暖かくなればウイルスはどのような動きを見せるのか、肝心な質問への答えはまだ見つからない。

 新型感染症はインフルエンザと類似しており、一般的には寒冷な環境下で長生きするウイルスが関連する呼吸器感染症である。熱や咳を伴う軽度から中程度の症状が大半であるが、高齢者や基礎疾患を有する人は肺炎を引き起こすなど、重症化する可能性がある。Hi

 南極を除く全大陸においてウイルスの感染が確認されているものの、南半球ではまだ大流行にはいたっていない。気温の上昇に伴いウイルスの勢力がどのように変化するのか、基本的な質問をいくつか挙げる。


◆同系統のウイルスはどのような動きを示してきたか
 新型ウイルスは遺伝的にSARSやMERSと関連性がある。2002年末、中国で最初に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2003年7月に終息宣言が出されるまでに世界中で約8,000人に感染した。

 ただし、夏季の到来によりSARSの拡散が終息したのではない。アジアとカナダの感染地域からの渡航を禁じ、ウイルス感染をヒトへ広めたハクビシンを大量処分するなど、異例の措置を講じたことが感染症の抑制に大きく貢献した。


 中東呼吸器症候群(MERS)の感染は、いまなお完全に阻止されていない。ラクダからヒトへの感染は通常まれであり、2012年に確認されて以降、局地的な流行がたびたび発生している。

「SARSやMERSからの情報に基づいたコロナウイルスや季節性に関して、断言できるものは何もないと考えます。MERSが摂氏43度の暑さを物ともせず感染拡大しているとき、私はアラビア半島に滞在していました」と、ミネソタ大学にある感染症研究・政策センターのマイケル・オスターホルム所長は話す。


◆なぜ南半球では新型ウイルスによる感染症が流行していないのか
 おそらく時期尚早なのである。過去に流行したウイルスは、世界中のすべての国に感染が広まるまで数ヶ月を要することもあった。

 サーベイランスについても問題の核心になるだろう。COVID-19の症状は、風邪やはしか、マラリアなど、ほかの多くの感染症による症状と類似している。新型ウイルスの症例を診断するのは容易ではない。 

 香港大学公共衛生学院の疫学・生物統計学部長ベンジャミン・カウリング教授は、タイやベトナムなど、すでに新型ウイルスの感染が確認されている国では、ウイルスがより広範囲に拡散されているのではないかと疑問を呈する。

「いわゆる気候の暑い国の多くは、寒い国ほど積極的に検査を行っていないのでは、と考えています」とカウリング教授は話す。


 カウリング教授はまた、寒冷環境に住む人々の行動が影響を及ぼしていると推測する。「暑い時期に比べて、人々は寒い時期には室内で過ごすことが多いです。室内で多くの時間を過ごすということは、複数人で同じ部屋にいる可能性も高くなり、感染しやすくなるのです」と述べる。

 気温に類似性を見出したサジャディ准教授は、ウイルスの流行にはさまざまな要因が影響を及ぼすと認めているものの、感染が広がるイタリアやイランなどの国において南部はそれほどひどい状況ではないことを示し、気候の寒い国ほどコロナウイルスによる影響は深刻である可能性が高いと推定する。

 一方でカウリング教授は、気温が高くなることでウイルスの感染拡大が完全に終息する可能性は低いと指摘する。

「夏には収まるだろうと期待を寄せることはできないと考えます。沈静化に向かう可能性はありますが、終息することはないでしょう。このままいくと、およそ9ヶ月以内に世界中のすべての国で感染が確認されると推測します。我々はいま、その段階へと向かっているところなのです」とカウリング教授は述べる。

By MARIA CHENG and VICTORIA MILKO Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

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