社会の壁・会社の壁1

養老孟司(たけし)先生が先べんを切った、「壁」シリーズが好評のようだ。はばかりながら、私の著作である「SEの35歳の壁~その乗り越え方」の題目も壁シリーズに倣った(ならった)。
ここで書こうとしているのは、養老先生の記述にも無い、私の以前の著作で記述しようとしたことを、再度明確化する意味で、「社会の壁・会社の壁」についてのみ記述する。「お役所の壁」「官庁の壁」「政府の壁」「代議士の壁」など、壁が沢山あるが、それは、「ばかの壁」で代表してもらおう。
記述が前後するが、思いつきで記述しているので、ご了承いただきたい。

会社の壁

会社の壁はどのようにして出来上がるか? 学閥、閨閥などが現存する会社も多い。これらは全て壁になる。もちろん、四大卒、それ以外にも大きい壁がある。近年は実力の世界であると言うことで、名目上・実質上、これらの壁は取り除かれつつある。年齢の壁もあって、近年では若年者が上司になることも多々あるようだ。

男女の間の壁も大きい。これも、総合職の導入によって、女性であってもそれ相応の努力をすることにより、男社会の中での出世も出来るようになってきた。あの、「東横イン」では、取締役は全て女性であったようだ。このように、業種によっては、女性の方が上になることもある。(いまだに日本は、先進国の間で、女性の地位が低い国として見られているようだ。困ったことだが、それ以上の壁が存在するのだから、男女の間の壁はその問題の内の一つである、と言うくらいでとどめておこう。日本はいまだに後進国なんだから。)

見えない天井があって、それ以上の出世が見込めないような事も起こりうるであろうが、それらの天井は、天井に上り詰めるような人の場合であって、この文章で記載しようとしている、若年者層が遭遇するような会社の壁の場合、もっと手前であるので、これは除外しても良いだろう。

どのような壁が存在するか?

実際、若年者層が入社する場合に存在する壁について記述したい。
入社以前にも壁は存在する。それは、会社と言う社会になれていない若年者層の場合、一体会社と言うのはどのようなものであろうかという、疑問が生じるであろう。それに対して、リクルート雑誌などで、先輩が説明している場合が多く、それらの情報誌を通じて実際の会社・社会の実情を知ることも可能であろうが、先輩の場合は、会社に対する良い面を強調することが多い。また、注意をするべきことについても、瑣末なことは記載しない。自分が会社に貢献したいことを言うことなどと言う、抽象的な表現がある。それはそれで正しいのだが、一体、どのように貢献できるかは、会社によっても異なるであろうし、会社の配属された部門によっても異なるであろう。だから、これらの事前情報については、そのような心構えでやろうということで、納得しておこう。
しかし、実際に入社してからの遭遇する壁は大きい。一体どのような壁が存在するのであろうか?

会社の組織を理解しているか?

そう、貴方は、会社の組織を理解できるであろうか?どのように会社が運営されているかを知っているだろうか?それは、会社によって異なるであろうが、一般的な会社の組織と言うものを理解しておく必要があろう。私の著作にその当たりの記述は詳しいが、人事部門、総務部門、業務部門、社長室などのバックヤード部門、それに、営業部門が全面にあり、設計部門、開発部門がある。当然流通関係の大きい部門があるだろうが、購買部門がこれらを分担する。製造業についての記述になりがちであるが、金融業、流通業、サービス業などにおいても、ほぼ同様の構成である。これらを理解せずに、貴方が配属された部門の重要性について理解することは困難であろう。

誰が重要なポジションを占めているか?

これを理解することは、入社早々の貴方にとって最も重要な仕事である。これは、企業によって異なることが多い。トップダウンの会社、ボトムアップの会社によって、明らかに異なる。トップダウンの会社の場合、実行部隊は、トップダウンの指示に従うことになるから、これらのトップダウンの指示が来る場所を見極める必要がある。社長が単独で指示を出す場合、取締役会で出す場合、企画部門が出す場合、営業部門がその指示を出す場合、などなどあろうが、それを理解する必要がある。
日本の企業においては、いまだに、ボトムアップで仕事が進む場合が多い。これを説明するのは困難であるが、ものの流れを管理し、コントロールしているのは、ボトムにある。だから、これらのものの流れに従って業務が流れる場合、この流れに反抗して、トップが指示を出しても、意味が少ない。だから、日本の企業においては、現場が強いので、ボトムアップになりがちである。システム改善などもそのように、ボトムからの要求に応じて、トップが予算を承認し、実行に移す。このような会社に配属された場合、貴方は幸せである。ボトムで要求を出せるのだから。しかし、要求を出す人には責任がついて回る。その要求に対して予算が付与された場合、貴方はその実行の責任を負うことになる。

どのような人と連携をとるべきか?

これも、貴方にとっては重要だろう。元々、貴方は人とのつき合いが上手ではない、むしろ人との積極的な関与を避けてきたのだから、人との連携が重要だと言われても困るだろう。しかし、会社においては、貴方自身、一人で出来ることには限界がある。この認識をすることにより、貴方は一歩前進する。

  • 貴方の仕事の流れの上流の人との関係が重要
  • そうすると、貴方はどのような人と連携をとるべきか?という疑問が湧くだろう。人は見てくれが90%であるとか、そうでは無いとかかしましい。しかし、会社内での連携は、当然、貴方の仕事の上流の人との連携が最も重要である。上流とは、会社の組織、動きの中で、貴方に仕事の命令が来るところと考えれば良い。物流であれば、貴方の下流は、貴方の扱う商品の流れてゆく方向、上流とは、貴方の商品をの得入する方向である。当然だが、貴方の上流がまずは重要であろう。(今はやりの、社会階層としての「上流」「下流」ではないので、誤解しないように。)
    営業職で言えば、貴方の上流は、会社内では無いのだから、会社外であり、貴方の顧客になる。
    このようにして、貴方の上流に位置する人との関係を適切に保持する必要がある。この関係を、会社内に居る時間に限っても良いし、それを、会社に居る時間以上に拡大しても良いだろう。とにかく、良好な関係を維持することだ。「建て前」ではなく、「本音」の関係を保持しなければならない。
    貴方にとって、この「本音の関係」が一番苦手なはずだが、会社において、貴方の上流の人との本音の関係が一番重要だと言われたら、貴方は、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、仕事はそっちのけでも良いからその関係を保持することだろう。彼らとの関係がどのように効果を発揮してゆくかは、徐々に説明する。

  • その次は、貴方の下流の人との関係を保持することであろう。
  • 貴方の上司との関係は?と言う疑問をもつだろう。当然ながら、これはほっておいても、上司の方から関係を強要してくるだろうから、それはそれで、柳に風の風情で流せば良い。仕事の命令はきちんと聞くこと。もちろんこれは重要だが、それ以外のことは、貴方を守ってくれるのは、貴方の上流の人、貴方の下流の人です。貴方の上司は、貴方が特別にできる存在ではない限り、貴方は将棋の駒の一つなんだから、100人の部下の居る上司の場合、貴方の存在は1/100である。悪いけどそれだけの存在なんだ。でも、貴方の上流の人は、貴方にものをきちんと流さなくなったら、貴方の仕事は上がったりです。絶対にこれは避けなければならない。下流の人も、貴方が作る商品を外に流してくれる人だから、絶対に関係を保持しなければならない。

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    この記事へのコメント

    2006年02月22日 14:40
    Kayさん、コメントありがとう御座います。対談は「見える日本、見えない日本 養老孟司対談集」ですね。早速購入します。本心は、養老さんの本はどの一冊を取っても重く、理解できないことが多いので。。。。それで、私が理解可能な本を書こうと思っているのですが。養老さん同様、理解困難なんでしょうね。社会科学のベースを持っていないから、ぼつぼつ勉強しながらやります。宜しくお願いします。Kayさんはすごい速読の人ですので、尊敬しています。実を言うと、「ハッカーと画家」も未だ読めていません。で、本とビデオの読み散らかしのブログも解説し、尻をたたいているのですが、ビデオばっかりがたまります。本はいっこうに進行しません。
    2006年02月21日 14:02
    最近買った2冊の本が偶然に養老猛司さんの解説でした。
    1冊は、アインシュタインとフロイトの往復書簡である「ヒトはなぜ戦争をするのか?(花風社)」。
    アインシュタインが国連からの依頼で、人類にとって最も重要と思う問題を、好きな人を選んで書簡で意見交換するというもので、アインシュタインはフロイト博士を選んだのですが、この人類史上、極めて重要な書簡は長く歴史から埋もれていたようです。
    アインシュタインの「攻撃的平和主義者」としての思想と、フロイトの精神分析、そこに、養老博士の脳から考えた考察を加え、一段と興味深いものになっていました。
    もう1冊は、デカルトの「方法叙説(白水Uブック)」。通常、「方法序説」と書きますが、実は意味が違います。叙説は「自分の考え」であり、序説は本論の序論というものと思います。はて、どっちが正しいのか・・・。
    そういえば、養老さんと心理学者の岸田秀さんの対談が面白かったです。
    しかし、このお二人、著作数が凄い。そして、全部、ことごとに面白いです。
    ニートの問題も、養老さんの「唯脳論」と岸田さんの「唯幻論」が良いヒントになりそうな気がします。

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